子どもと一緒に学びましょう No.57 法の水

古いインドのお話です。王舎城というところに、バラモンという一番身分の高い家系の賢い子供がいまいた。この子は、お父さんと死に別れ、母の手一つで育てられました。あるとき、
「お母さん、お父さんは毎日どのようなことをして過ごしていたのですか。私はお父さんと同じことをして日々過ごしたいのです。」 するとお母さんが、
「あなたのお父さんは日々三回、ガンジス川の水につかっておられましたよ。」
「お母さん、それはなぜですか。」
「あなたも知っているように、ガンジス川の水はとってもきれいです。そのきれいな水に浄められると、尊い力が得られるのですよ。」 子供は納得のいかない様子で、
「それは本当ですか。牛をつれて川を渡っている多くの人と出会いますが、尊い力を備えている人はいませんよ。ましてや、川にすんでいる魚も亀たちもです。」
母は、おどろいて、
「それでは、あなたはいったいどう思うのですか?」
すると子は、
「お母さん、体の汚れはガンジス川の水できれいになるでしょうが、心の汚れは仏さまの法の水でなければきれいになりません。」