第15回ご祥当りんご念仏会

佐野 成昭 

 11月18日(土)から19日、長野市の古田幸隆後任住職の寺、法学寺にて1泊2日で弁栄聖者ご祥当念仏会を有志主催光明会近畿支部後援で開催しました。小学校6年のお子様も含め全国各地から19名の参加者がありました。尚、この集いは初心者に向いていますので親類のお子さんも含めどなたも参加出来ます。リンゴ狩りや東山魁夷画家の絵のような紅葉する山なみと森の景色が見られ、田舎寺の良さが味わえ、長野の善光寺参りが出来ます。
 午後1時長野駅に多い順に、関東、中部および関西から全員が集合しました。出迎えの古田師と挨拶を交わして、3台の車に分乗して10分程で十念寺に参りました。
 紫雲山十念寺は源頼朝公開基のお寺です。源頼朝公が善光寺に参詣する途中まで来ると、紫雲がたなびき如来様からお十念を授けられたとのこと。その場所に建立されたお寺です。頼朝公は、父の死以来仏教帰依者になり善光寺の保護者でもあります。
 古田幸隆師維那によるお念仏と立ち礼拝(三唱礼50礼)を主に唱えました。3時半終了し、海抜370mの十念寺から710mの法学寺へと車で向かいました。
 法学寺を目指して車は、高地にある山道を登りました。途中、薄霧に煙るカラマツ林や紅葉の秋の情緒を感じ、赤いリンゴ畑を通過しました。今回雨でしたので翌朝にリンゴ狩りを延期し、お寺に到着しました。   
                                
 4時より多くのお花と額が飾ってある本堂でしばらくお念仏をさせて頂きました。その後古田師が短い感話をされました。「8月息子が自死してもその顔が極楽へ言ったかのような立派な相に変わっていたのを見て、こんな死に方もあるものかと初めて知りました」と語られました。その後、暖房の効いたお部屋で数種のおいしいりんごと茶菓子を頂きました。おいしいお菓子もふるまって下さいました。また、米粒名号入りのお守りを頂きました。日はすっかり落ちて外は真っ暗になっていました。次に今日最後の移動先である海抜1000mの宿に車で山道を登りました。
アゼイリア飯綱いこいの村という宿に5時半に着くと、7部屋に分かれ「えんめいの湯」という風呂に入り、6時半よりおいしい夕食を頂きました。いつもおいしい漬物を地元参加の方が提供して下さり、歓談しました。その後8時15分、3階の会議室に移りました。

弁栄上人絵伝試案の発表と質疑応答

 8時過ぎから9時半まで毎年写仏をしていましたが、今回は、百回忌に向けて製作中の弁栄上人絵伝試案の発表と質疑応答を会議室で行いました。
 その絵伝は、中高生以上の一般の方用で、画家が描かれた絵等と説明文のあるもので20頁程のものですが、A3サイズ版の絵のみを見せて説明文を読み上げました。この絵は、昭和57年、鈴木憲栄上人の説明文と共に知恩院での法の集いでスライド上映されたものです。今回その文を分かり易い文に変えてあります。また、絵伝の不足分を写真イラスト等で少し追加しています。見終わった後、色々な感想とご意見を頂き、改良の参考にさせて頂きました。小学6年の子は、「米粒に300字程も書いた写真を始めに載せると、凄いと皆が見て本を読んでくれると思う」と、感想を述べてくれました。本当はアニメ化が良いので以前から提案をしていましたが、アニメ作家に依頼すると、大変な費用がかかりますので実現していません。しかし、信仰のあるアニメ作家がいてくだされば光明主義をひろめるのに最適です。今回は、私の法友の光明会員で見仏された奈良市の画家の油絵を用いていています。勿論無料で著作権の許諾を得ており、更に当会での出版を強く希望されています。
 翌朝5時半に起床し、6時早朝のお念仏のために宿から車で移動しました。外は真っ白で雪がチラチラ降っていました。古田師用意のカイロを頂き寒さ防止のために使用させて頂きました。
 智香寺に宿から1分程で到着、何百人も収容出来る近代建築の大伽藍で前田家ゆかりの立派な阿弥陀如来様の前で早朝念仏しました。周囲の壁には、多くの掛け軸が見られ、弁栄上人作の古そうな阿弥陀立像軸もありました。このお寺の本寺は、東京都大塚町の智香(智光)寺です。かつて家康の母、伝通院於大の方を荼毘にされた地に建立された徳川家ゆかりのお寺です。大変寒い本堂で電気床暖房はありますが、温まるのは終わりになってからでした。寒さで身も心も引き締まる中、コートを着て必死でお念仏。中味の濃い非日常的な念仏体験でした。
 7時半頃宿へ戻りおいしいバイキング朝食を頂きました。
 法学寺のりんご畑9時移動し、法学寺の畑でりんご狩りを楽しく行いました。沢山のりんごの中からおいしそうなりんごを短時間に必死に取りました。ビニール袋に一杯頂きました。その後、寺に戻り、りんごの包装・発送手続きの作業を行いました。おいしい地元のお茶菓子とお漬物で奥様が歓待して下さいました。そして10時より、弁栄聖者ご祥当念仏会のセレモニーが始まりました。古田幸隆導師の美声のご指導に随って、全員が聖歌「衆会」と「いまささぐ」をヴァイオリン伴奏で斉唱する中を、3人の代表が献灯、献香、献花を行いました。その後、礼拝儀をあげ、お念仏に打ち込みました。
 今回は唐沢山別時と同じように、礼拝儀をあげる前に三礼の仕方の説明があり、正しく行いました。正しくとは、一唱三礼と長跪三礼は、「阿―」の所で音階を二段階に上げないで「弥」で二段階に上げること。また、「陀仏」の所で「だー」を伸ばした後一旦低いシまたはラ音階に下がり、おでこを床に着けることです。この節は、古くから礼拝儀の楽譜に基づいているものです。百回忌迄にはどこの念仏会でもこのように統一してほしいものです。その為の礼拝儀CDを準備中です。
 古田導師は、ご祥当会表白として聖者のご略伝を読み上げられました。それを聞きつつ聖者が厳寒中でのご伝道に尽くされたご苦労に思いをはせました。最後に聖歌「法の糸」斉唱、11時半大変お世話になった法学寺様と別れを惜しんで車に乗り込みました。
 そして例年通り、昼食のため檀家さんの営む蕎麦料理店へ移動しました。運ばれて来る一品一品に舌鼓を打ち、そばで作ったおいしいケーキのデザートに至るまで蕎麦づくしの美味しい料理でした。
 14時ここで解散後、何名かは善光寺を参拝されました。今年も2日共楽しく充実して行事を終えることが出来ました。初参加者6人皆喜んでいました。薄紅葉の山々は極楽のようだとか、田舎寺の人の温かさを味わっておられました。参加者の小6の男子、ヨシタカ君は、めずらしい雪を喜んで、少し雪遊びしました。彼は、今年の唐沢山別時にもおばちゃんに連れられて全日参加しています。今回もよく来て頂き、よくお念仏してくれました。来年参加も期待したいです。彼の感想は、りんご狩りが一番おもしろかった。二番目は、全ての食事と茶菓子がおいしかったとのこと。そして、そのおばちゃんの娘さんも。「参加出来て良かった。お念仏をし始めるといやな事も雑念となって思い出すのでちょっといやな面がある」と言われたので「それは、日常心の奥に潜在意識となって溜まったものが出て来るもので誰でも有ります。でも、その時は、ここに来てお念仏したことを思い出す等して心を仏様に切り替える必要があります」と伝えました。「そうして行く内にそれが、消化したり、良いアイデアに昇華したり、忘れていたことを思い出して、すぐメモし、後で実行出来るようになります」と話しました。そしたら、「いい事を聞いた」と喜んでいました。今年は、他にも自死された血縁者の参加者が複数あり、その廻り合わせに不思議な仏縁を感じました。これでお念仏のご縁が更に深まり、明るい光明の世界へ向かうはずみになります。今回は一期一会で今までで一番良い会だったと思いました。
 古田後任住職は言うまでもなく、ご親族、お弟子の浄光尼様と皆様のご親切とお力添えのお陰と心から感謝申し上げます。来年も11月第3土曜開催の予定でホテルを予約しましたので皆様ご参加ください。 

合掌