光明主義と今を生きる女性 祈り

遠藤 由起

 私は母(花岡こう)のお腹の中でお念仏を聞きながらこの世に出てまいりました。
 如来さまのお計らいで素晴らしい方達と巡り合わせていただき、稀有な経験もさせて頂いてきました。現在は障害児の為の病院で働かせて頂いておりますが、その病院で勉強会の講師として見えた、世界に母子手帳を広めている坂東先生と出会いました。
 毎年八月に、坂東先生が中心となり、NGО活動で「ベトナムの子供を支援する会」が行われている事は知っておりましたが、それが昨年、「遠藤さんも参加しませんか」と病院より言って頂き、参加することとなりました。医師、療法士、看護師とほとんどが専門家の方たち約五十名に混じり、慌ただしく準備致しました。
 胸躍る気持ちと不安とが交互に訪れ、その日が近づいて来たころ、光明学園の親子別時に参加させていただきました。そこで山上上人様とお話しできる機会を頂き、NGO活動の事をお話し致しました。その際、お上人様は「祈り」という詩のお葉書を下さり、励まして下さいました。いつもどんな時も、如来様はそばにいて下さるという詩です。お絵像とこのはがきを大事に旅行鞄に入れました。
 七月三十日、朝九時に飛行機は日本を離れました。
 到着したホーチミンの空気は熱く、人でごった返した空港は蒸し風呂のよう。
 喉がカラカラで初めて頂いたベトナムコーヒーは、素晴らしくおいしく感じました。
 全国からのメンバーが集まったところで大型バスに乗りベンチェに向け出発しました。
 ベンチェが近づくとメコン川が目の前に広がりました。事前に頂いた本を読み想像していた川。戦時中敵が迫った時、ここに長い時間隠れていたのかと思うと感慨深いものがありました。
 この地で病院、障害児学校、官庁などを訪れました。
 障害児学校には、全州より省レベルの専門家・管理者、教育関係者、支援センター職員、CBR(地域の民間療法士)の方などが集まり、日本から準備したいくつかの勉強会に共に参加しました。
 縦型社会の中で、障害を持つ方に関わる関係者が一堂に会し、横の繋がりを作るきっかけが出来たことは、素晴らしいことだと思いました。(横の関係者が集う事は、普段ないそうです。)
 また、医師を中心にグループに分かれ、過疎地の家庭訪問も行いました。ここにもベトナムの関係者が二名ずつ参加し、障害のお子さんの現状及びこれからについて、意見交換をいたしました。
 支援とは、常時そこにいる現地の人が「何か」をできるように、ともに考えサポートする事が大切であることを、事前にレクチャーして頂きましたが、ベトナムの方たちが、勉強会に意欲的に参加し、質問される姿を見て、本当に必要としていることを提供すると言うこの活動の意義がよくわかりました。
 障害児の中でも発達障害の方は周りに勘違いされやすい行動をとりますが、「まわりを困らせる為の行動ではなく、困っていることを人に伝えるための行動」と捉えれば、自ずから対応が変わる事も知りました。
 日々めまぐるしく、知恵熱?を出しそうでしたが、夜ひとりになるとベットに正座し、お葉書の詩を読み、お念仏をさせて頂きました。
 ここに居させて頂く不思議を感じながら「あなたの働きが出来ますように」と祈り、一週間過ごさせて頂きました。お陰様で体調を崩すこともなく、滞りなく活動に参加できました。
 同じ目的で集まったメンバーの方達とはすぐに心が通じ合いました。ベトナムの方達ともジェスチャーで語り合いました。
 そして最後のパーティーでは素敵なアオザイを着て別れを惜しみました。本当に素晴らしい一週間でした。
 たくさんの皆様に感謝しつつ  合掌


祈り

あなたが 泣いていないか
途方に くれてないかな

寒くないかな
お腹が空いてないかな
痛くないかな
寂しくないかな

怖くないかな
毎日おもう
そして祈る
必ず 微笑む日が来ることを